理系だもの

日常起こったことについて、誰もが何かしら自分の意見を持つと思います(そのことが自分にとって良い・悪い等)。しかし、働いていると、同じ目標を目指すため、周りに合わせねばならないという風潮に従わざるを得ないです(これが団体行動の良い点でもあり悪い点でもあります)。せめてブログでは、自分の思ったことをのびのびと書きたいと思い、始めました。文章を書く訓練もかねて、分かりやすい記事を書くよう努力します。テーマは主に最近話題のもの・ことに対する解説+意見。たまに中の人の旅行記事、衝動に任せて書いた物申す記事を書きます

人を殺す人と殺さない人、違いは?

どうも、理系です。

牢屋に入れられた人のイラスト

なかなかに衝撃的なタイトルですが、今回は半分雑学記事ということで、「人を殺す人と殺さない人の違い」について書いていこうと思います。

 

ネットで、サイコパス診断が一時期話題になりましたね。

 

異常犯罪者の思考回路の異常さに誰もが驚いたことでしょう。

 

「頭がおかしい」

 

とね。

 

 

実は、脳科学の分野では、犯罪者には脳に組織学的な異常があることが多いことが明らかになっています。

 

そういう意味で見ると、「頭がおかしい」はある意味正解なんですよね。

 

1.Lesion network localization of criminal behaviour

元の論文はコチラ

www.pnas.org

鉄パイプが前頭葉に突き刺さって左の腹側正中前頭前皮質(vmPFC)が大きく障害された後、性格が一変し、粗野で凶暴な性格に変わってしまったフィネス・ゲージの症例や、扁桃体の視床下部を圧迫する脳腫瘍が発生したあと性格が変わり、ついに母親、妻を含む16人を射殺したチャールズ・ウィットマンの症例に代表されるように、脳が損傷されると凶悪犯罪に走ってしまうのではないかと予想し、もし関係があるのなら、どの部位が重要かを示そうとした研究がこちらです。

 

この研究では、脳に障害を受けた後に犯罪を犯した17人のMRIおよび1000人の正常人のデータを照らし合わせて、犯罪者と正常人の違いを見つけようとしています。

 

その結果、損傷の部位は共通ではないが、vmPFC(※)に神経的なつながりがある部位が損傷しているという点が共通していることが明らかになっています。

 

※vmPFC

道徳に関わるとして特定されていて、価値判断に関わるネットワークやTheory of Mind(他人が自分と同じように考えているという認識位)のネットワークと深く関わっている。

 

vmPFCを含む道徳的回路と功利主義的、非道徳的行動に関わる回路の両方に、犯罪行動と関わるネットワークは連結しており、功利的or道徳的かの綱引きの最終判断をしている。

 

 

2.Aberrant brain gray matter in murderers

日本語のページがあったので詳しい内容はコチラ

everyday-evident.net

New Mexico とWisconsin州の犯罪者矯正局で続けられている、犯罪者の脳T1-scanを集めて、殺人犯、強盗や誘拐などの凶悪犯、そして比較的軽い犯罪犯の3グループの平均画像を算出し、組織学的な違いを調べている研究がこちらです。

 

殺人者では、他の犯罪者と比べた時、脳の極めて広い領域で灰白質の厚さが低下している。

 

これは殺人犯と凶悪犯を比べても、実際に殺人を犯してしまった犯人と、殺人未遂犯を比べても、この差が認められません。

 

また、比較的軽い犯罪者と、凶悪犯の間に差は認められません。

 

この結果から灰白質の減少は、単純に犯罪意図だけではなく、最後の一線を超えてしまうかどうかと相関していることが考えられます。

 

灰白質の厚さの減少が見られる場所は大脳皮質の広い範囲に見られる。

 

この領域には、感情に関わる領域、自己制御に関わる領域、社会性に関わる領域が含まれています。(この辺は1の報告を裏付けていますね)

 

 

犯罪を犯す可能性が高い人を事前に見つけるための研究はいろいろされているみたいですけれど、大事なことはリスクの高い人を見つけたとして、どのように対応するのかという点です。

 

下手をすれば、犯罪を犯していないのに、その要素だけで犯罪者扱いされるという差別を生みかねません(特に遺伝子系はそうなりそうで怖いですね)。