どうも、医療系です。
先日の琵琶湖花火大会で、喫煙厨に火傷させられかけたので、火傷の応急処置について復習した医療系です。
夏は暑いですが、花火やキャンプなど、火を扱うイベントがたくさんあるため、火傷のリスクが高まる時期でもあります。
火傷は、初期の対応次第で下手をすると跡が残るので、応急処置を正しく行うことが重要です。
では、正しい応急処置を皮膚科学会や製薬企業のホームページを参照しながら学んでまいりましょう。
参考
公益社団法人日本皮膚科学会ホームページ
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa8/index.html
第一三共ヘルスケアホームページ ひふ研
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/symptom/yakedo/
1.火傷の原因
温熱火傷(最も頻度が高い)
熱湯や火災、高温の物体に触れることで起こる
電撃火傷
雷や電撃に触れることで起こる
化学火傷
酸やアルカリの物質に触れることで起こる
低温火傷
40~55℃程度のそれほど高くない温度の熱源(カイロや湯たんぽなど)に触れて起こる
今回は一番頻度の高い温熱火傷について書いていきます。
2.火傷の重症度
深度 | 症状 | 治療まで |
---|---|---|
Ⅰ度熱傷 | 皮膚表面のやけど。赤くなる。ヒリヒリする痛みや熱感がある。 | 1週間以内 |
Ⅱ度熱傷 (浅達性) |
赤くなり、水ぶくれができる。強い痛みや灼熱感がある。 | 1〜2週間 |
Ⅱ度熱傷 (深達性) |
赤み~紫~白っぽくなり、水ぶくれができる。強い痛みがある。 治癒しても跡が残ることが多い。 |
3〜4週間 |
Ⅲ度熱傷 | 褐色~白色~黒色。皮膚全層が破壊された状態で、水ぶくれはできず、痛みもない。皮膚はほとんど再生しない。 | 4週間以上 |
3.応急処置
- 痛みが軽くなるまで、15~30分が目安。
- 水ぶくれはなるべくつぶさないようにする。
- 水圧やタオルなどで、患部を圧迫しない。
- 衣服は無理に脱がさずに上から水をかけて冷やす。
- 氷嚢(ひょうのう)や蓄冷材を使うときは、直接でなく清潔なタオルなどに包んで患部に当てる。
- 広いやけどは、患部を清潔なタオルやシーツなどでおおって水をかける、あるいは水に浸した清潔なタオルやシーツなどで患部を冷やす。小児や高齢者は広範囲を長時間冷やすと、低体温症などになるおそれがあるので冷やしすぎに注意する。
- 腕時計、指輪やネックレスなどの装身具は血行を悪くして患部の回復を妨げるため、すぐ外す。
- ※絶対にやってはいけないこと
- 氷水を直接当てる→余計に火傷を悪化させます。
- 水ぶくれを自分で剥がす→皮膚についた菌が体内に入る危険性があるため
- 自己判断で薬を塗る→色付きのものは患部が分かりにくくなる。また、判断を誤ると回復に時間がかかる。民間療法は傷口を清潔に保てないので避ける。
※ネット上には火傷の治療法の記事がたくさんあります(医療機関のホームページなど)が、これらはプロが火傷の状態を判断して専門的な知識に基づいて行っているもので、素人判断で、実施することは極めて危険です。自分でやるのは冷やすという応急処置だけにしましょう。
※火傷の傷に紫外線が当たると、色素沈着が起き、ケロイドという跡ができることがあります。火傷になった部位はしばらく直射日光に当てないようにすると、跡が残らなくて良いです。
4.病院に行くかどうかの判断基準
- 不安なら軽傷でも病院に行くべき。Ⅱ度以上は、絶対に病院に行ってください。
-
火傷は、身体的なダメージだけでなく、火傷を負ってしまったという心的ダメージもあるため、軽症のI度熱傷でも不安があれば受診した方が良いです。受診するだけで気が楽になることもあります。また、痛みが強い場合は鎮痛剤を処方してもらえます。皮膚科が閉まっている時間なら、救急外来がお勧めです。
- 絶対に受診するべき火傷
-
「真っ白で痛みがないやけど」など、感覚がなくなるやけどはⅢ度熱傷に分類される重症のため、早急に医療機関を受診する。また、やけどの範囲が広い場合も、必ず受診する。
-
- いかがでしたでしょうか?
- とにかく素人が自己判断するのは危険です。軽傷でも気がかりなことがあれば、受診し、プロの意見を聞いてください。