どうも、理系です。
血液クレンジングのお話。
静脈血を取って、そこにオゾンを入れて体内に戻す血液クレンジングが、芸能人の間で流行しているらしい。
「あぁー!水素の音ォー!」の次は「あぁー!オゾンの音ォー!」ですか、全くもう…
皆さん、活性酸素ってご存知?
理系向けの言い方をすると、酸素ラジカルってやつなんですが、非常に不安定な物質のため、反応性が高く、細胞を傷つける作用があります。
健康に対する意識の高い方でしたら、酸化ストレスにより、血管が傷つくとか言うことで、抗酸化作用のあるビタミンCを取ったりされていると思います。
そんな健康に対する意識高い系で、医者もびっくりなくらいの健康情報を持っている方がまさか、血液に活性酸素(オゾン)を入れるような真似をするなんてwww
まだ、ピンと来ていないですか?
では、もっとわかりやすく言いましょう。
オゾンは、殺菌作用がある気体です。
器具等のの細菌を殺すことができるということは、血液に入れれば、血液中の細胞を殺すことができます。
何故なら、血液の細胞も、細菌の細胞も活性酸素によるダメージを受けるから。
実際に、日本でもアメリカでも
「オゾン発生装置は、器具の殺菌に使われる製品が承認されているということであり、人体に作用させるオゾン療法として承認されているものはない。
医薬品や医療機器として同じように有効性・安全性を確認されて薬事承認された製品だけが販売することが認められているが、そうしたものはない 」
とされており、
FDAの規則には
「オゾンは毒性を持つガスであり、特定の治療や補助療法、さらには予防医療のいずれにおいても、臨床応用が有用だとする定まった知見がない。
オゾンが殺菌作用を発揮するためには、人間や動物が安全に耐えられる許容量よりはるかに高濃度が必要になる」
との記載がある。
つまり、効果も安全性も担保されていないということです。
さらに、危険なのが、血液の微生物汚染です。採血からオゾンを混ぜて体内に戻すというどこか一つの過程で血液に病原微生物が混入したら、、、薬害エイズみたいなことになりますよー
あと、芸能人とかが、オゾンを入れると、どす黒い血がきれいな赤色になって、血がきれいになりましたーとかやっている写真があるらしいですけど、
静脈血がどす黒い赤なのは、ぱっと見は血が汚く見えますが、健康な証拠です。キレイな赤になったのはヘモグロビンが酸素結合型になったからです。
もし、静脈血がもともと普通の赤だったら、ただの貧血です。
もし、医療用オゾンが億が一の確率で医薬品承認されたとして、効果があるのか、
理系は循環器の専門家じゃないから想像でしかないのですが、静脈血の酸素濃度を上げても、ヘモグロビンの酸素の離しやすさは、血液中の酸素の量に依存しないから、意味ない気がするぞ。
二酸化炭素分圧の上昇、pHの下降、体温上昇、2 ,3- DPG(糖代謝で生じる物質で、糖代謝には酸素が消費される)の上昇がヘモグロビンの酸素の離しやすさ(末梢への酸素の供給増加)に影響するわけで・・・
酸素の濃度は関係なし。
それに、肺に戻る血液の酸素分圧を大きくしてもねぇ。
もう、細胞に酸素を渡し終えた血液ですし、血液は逆流できないんで。
かといって、勢いのある動脈の血を採血すると、血が止まらなくなって、最悪の場合、失血死するから、無理だろうね。
肺胞の酸素分圧に応じて、動脈血のヘモグロビンの酸素結合率が決まります。
つまり、肺胞の酸素分圧が同じでも、ヘモグロビンの量に応じて末梢に運ばれる酸素の量が変わる。
恐らく、血を抜いて、無理やり酸素を入れるよりも、鉄分を摂ってヘモグロビン量を上げた方が低リスクで低コストで末梢に酸素を多く運べるのではと思うのですが。
中学生でもわかる。
そもそも、科学的根拠がなく、体験談しかない時点で怪しいっての。
FDAも言ってますから、科学的根拠が乏しい詐欺健康法は個人の経験談でごまかしてるって↓