どうも、元気なのにファッションでマスクを着けている女は口裂け女だと思っている理系です。
嘘です。
インフルエンザの季節になりましたね。
予防のためにマスクを着けている皆さん。
今回は、今すぐマスクをごみ箱に突っ込みたくなる記事です。
実は厚生労働省はインフルエンザの予防法としてワクチンを推奨しているが、マスク着用は別に推奨してないのです。
「マスクで予防しよう!」と言うのは「バレンタインだからチョコを買おう」レベルのマスク業界の陰謀なのです。
ここで、「おい!医療関係者の理系がそんなこと言って大丈夫なのか?」という声が聞こえてきた気がする。
ちゃんとエビデンスがあるので紹介する。
フランスでの調査
2008~2009年のフランスにおけるインフルエンザ流行時期に、インフルエンザ予防に対するマスクの効果の検討が行われました。
インフルエンザ診断テスト陽性となり、48時間症状が続いている患者のいる家族を対象として、マスク着用群とコントロール群に分け、マスク着用群では発症者が他の家族と同じ部屋や限られた空間にいる場合にマスクを着用することを5日間実施しました。
その結果、調査期間中に家族がインフルエンザ様症状を示した割合は、マスク着用群は16.2%、コントロール群は15.8%で有意差はなく、マスク着用による感染予防効果は認められませんでした。
また、マスクを着用群において、75%の人がマスク着用による不快症状を訴えている。
Reported problem | Children mask (n = 12) | Adult mask (n = 39)* | P value |
Warmth(暑い) - n (%) | 5 (42) | 18 (46) | 1.00 |
Respiratory difficulties(息苦しい) - n (%) | 2 (17) | 15 (39) | 0.29 |
Humidity(湿気)- n (%) | 3 (25) | 14 (36) | 0.73 |
Did not like being seen with the mask(見た目が良くない) - n (%) | 3 (25) | 12 (31) | 1.00 |
Irritation (むかむかする)- n (%) | 2 (17) | 5 (13) | 0.66 |
Pain (痛み)- n (%) | 3 (25) | 1 (2.6) | 0.036 |
興味深いことに、フランスの調査では、マスク着用による弊害に「見た目が良くない」と言うのが挙げられていて、日本との違いを感じた。
Surgical Mask to Prevent Influenza Transmission in Households: A Cluster Randomized Trial
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2984432/
日本での調査
2016~2017 年流行時(2017 年 3 月 31 日まで)に医療機関を対象にしたマスク着用とアウトブレイクの発生の相関を調べるアンケート調査が実施されました 。
111 施設中 71 施設から回答があり、調査期間中、アウトブレイクがあった施設は 55 施設で、調査では
①サージカルマスク着用の病院規定の有無
②サージカルマスクの着用対象者
③サージカルマスク着用場面
④サージカルマスク着用の実施期間
のそれぞれについてアウトブレイク発生状況の解析が行われました。
マスク着用が義務付けられていようがいなかろうが、アウトブレイクの発生率には影響がない
マスク着用規定がなかろうと、全員にマスク着用が義務付けられていようとも、アウトブレイクの発生率に影響はない。
どのタイミングでマスクを着用していても、マスクを着用していない場合と同様のアウトブレイク発生率を示す。
マスクの着用期間の長さも当然関係なし。
以上のように、すべての項目においてアウトブレイク発生数との相関は認められませんでした。
サージカルマスクのインフルエンザ予防効果.
https://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20171024085000.pdf
結論
ということで、マスク着用はインフルエンザの予防という点では意味がないということが明らかになりました。
ただし、どんなケースでも全く効果がないというわけではない。
厚生労働省はインフルエンザ患者が、感染を広げないためにマスクを着用することは推奨している。
1.症状のある人が、咳・くしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために不織布製マスクを積極的に着用することが推奨される(咳エチケット)。
2.不織布製マスクのフィルターに環境中のウイルスを含んだ飛沫がある程度は捕捉されるが、感染していない健康な人が、不織布製マスクを着用することで飛沫を完全に吸い込まないようにすることは出来ない。よって、咳や発熱等の症状のある人に近寄らない(2メートル以内に近づかない)、流行時には人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つ、といった感染予防策を優先して実施することが推奨される。
3.不織布製マスクについては、新型インフルエンザ流行前に流行期間に応じたある程度の備蓄を推奨する。なお、不織布製マスクは、原則使い捨て(一日一枚程度)とする。
おまけ
最後に、ウイルス対策を謳ったマスクは対策にならないというデータを示す。
巷には、ウイルス捕集効果のあるとうたったマスクが売られている場合があるが、試験をすると、ほとんどがその基準(N95)を満たしていない。
更に、隙間からの息もれ量も製品によるばらつきがかなり大きい。
参考