理系だもの

コミュ障理系会社員兼バレエダンサーの日記。健康食品のガチすぎるレビューから、ニュースについての自分なりの意見を書いたりしています。ためになる記事も多分ある。理系だもの。好きなこと:バレエ・ダンス鑑賞・音楽を聴くこと(推しは奏音69さん)、嫌いなこと・人:フェミニスト・媚びること・ストレッチ

印象操作で精神疾患研究の邪魔をするんじゃないよ!

どうも、精神疾患研究者のはしくれの理系です。

 

慢性疲労症候群や脳脊髄液漏出症がネット上で「怠け病」として取り上げられていた。

 

俺はこの手の「医者が病気を作って、金儲けしているという陰謀にしたいんだなぁ。。。」系のニュースを見るとイラっとする。

で、この手の「病気が医者の陰謀」論のターゲットは、精神疾患が多いんだよな。。。脳のことってまだまだ分かっていないことが多いから仕方ないのかもしれないけどさ。。

 精神疾患の中でも、結構有名で、研究も進んでいるはずのうつ病だって、理解ない人に「甘え」って言われてるからねー

www.rikeidamono.com

 

 

脳脊髄液漏出症(鎮痛剤が効かない突発性の頭痛。ただし横になると軽快する)

脳脊髄液漏出症は突発性の頭痛が日常の些細な行動で生じます。そして、共通しているのは、起立位で頭痛が増強し、横になると頭痛は急激に回復します。頭痛薬は、ほぼ効きません。従って、本人は、ゴロゴロ横になっていると調子がいいので「怠け病」と周囲から揶揄されるのです。
この頭痛が原因で学童が不登校になり就学できなくなってしまう例もあります。

 

 この病態は、脳脊髄液が何らかの原因で硬膜外腔に漏れだしてしまうために生じる頭痛です。起立位は、重力の関係で髄液漏出量が増加するために頭痛がひどくなり、横になると髄液の漏出量が減少するため髄液漏出量のバランスで頭痛は自然に改善するのです。この頭痛には鎮痛剤は効きませんが、末梢より補液をするとやはり髄液量の関係で頭痛は改善し、しばらくは立って動くこともできます。

 

この症状の原因は脳脊髄液の漏出による圧力の低下(起立性低血圧と同じイメージ)なので、急性期の治療には、脳脊髄液が漏れている部分を血で固めるために血液を硬膜外腔に注入するブラッドパッチ法が用いられます。

この治療法により1回の注入では20%程度で症状が著明に改善すると報告されています。初回で効果がないときは複数回行うことも少なくありません。総合的に治療を行った成績では、一年後の時点で、ほとんど完治が2割、かなり改善が5割とあわせて7割くらいが満足できる結果と言われています。残り3割はほとんど、あるいはまったく改善が得られていません。

 

脳脊髄液の漏出という外から見たら絶対分からないが、明らかな異常があるにも関わらず、その異常が外から見えにくいこと、薬が効かないが、姿勢を変えるだけで症状が軽快することがこの病気に対する理解を難しくしているのかもしれない。

 

ちなみに、組織学的異常は、MRIで硬膜(上の写真の黄色い矢印)が見えるという点。

低髄液圧状態のMRI

「mri 脳」の画像検索結果

正常な脳では硬膜は見えない。

 

こんだけ異常があるのに、怠け者で片づけますか?医者の金儲けの陰謀なら、健康なのに治療するってことになりますから、この病気みたいな明らかな組織学的異常は見られないと思いますよ。

メディアによる名誉棄損だぜ全く。

 

慢性疲労症候群(原因不明・治療法なし)

慢性疲労症候群も怠け病と言われる脳疾患である。

原因不明の強度の疲労・倦怠感により半年以上も健全な社会生活が過ごせなくなる病気です。通常の診断や従来の医学検査では、特徴的な身体的異常を見つけることができず、治療法も確立していません。

診断基準(健康な状態とかけ離れているようなバイオマーカー)もなく、症状が感覚的なものであるという点で、診断も治療も難しいことは容易に想像できると思う。

 

この病気の原因は免疫の暴走による脳の炎症(確かに、脳の特定の部位の炎症により、知覚過敏等の感覚異常が起こるという報告は存在する)だともいわれていたり、

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/143/

バイオマーカーの探索が行われているが、

https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20191210.html

未だに確定的な診断法や治療法は存在しないし、神経系の病気の症状は主観的なものが多いため、脳神経系の分野の人間であれば、たとえ医師であっても、この病気の存在を受け入れるのが困難ではないかと考えられます。おそらく、組織学的異常が見られる脳脊髄液漏出症よりも困難。

 

しかし、これらの病気をわざわざメディアが「怠け病」とタイトルをつけるのが悪質。

研究レベルでは健常者と統計学的に異なる量のタンパク質があることは分かっているので、近いうちに、明確な診断基準ができて、甘ったれと難病の明確な境界線が引かれるんじゃないかと思っている。

https://www.machida.tokyo.med.or.jp/?page_id=13764

https://www.ypch.gr.jp/department/neurosurgery/topics07.html

https://www.docknet.jp/media/brain-dock-1/

 

ただ、これを世間が受け入れるかどうかは別の話ですが。

論理的な説明をしても、「俺が思っていることが正しいんだ!」とか、「科学者の陰謀だ!」とか言う人って一定数いるからね。