どうも、理系です。
精神疾患研究者、言い換えれば脳科学関連の専門家の端くれですので、五感と○○の関係みたいな学術論文を目にする機会が多い。
今回は、聴覚と行動に関する面白い報告があったので、紹介する。
背景音のテンポが行動ペースに与える影響
快適なBPM
BPMとは、曲のテンポを示す数値である。この値が大きければ大きいほどテンポが速くなる。(ただし、早すぎると、リズムとして認識できなくなる)
人にとって快適なBPMは70-120である。
この間に収まる曲には
奏(スキマスイッチ) BPM75
栄光の架け橋(ゆず) BPM82
TUNAMI(サザンオールスターズ)90BPM
奈落の花(島みやえい子)109BPM
GET OVER (DREAM)120BPM
人の歩行リズムは120BPM、背景の音楽を意識せずにタッピングをすると100BPMのリズムを刻む。
ちなみに、
紅蓮華は135BPM
ハレ晴れユカイは172BPM
ピースサインが200BPM
GO!GO!MANIACが250BPM
心地よく感じるBPMの曲にはバラードが多いこと、そして 、アニソンはアップテンポであることがよく分かりました。
ダンスは本能的に快感を得やすいと言えるかもしれない
先ほど、人にとって快適なテンポが存在することを紹介した。
次は皆さんが何となく感じている「アップテンポな作業用BGMを聞くと作業が速くなる」というのが科学的に示されているということを紹介しようと思う。
背景音のテンポと筆記のスピードの相関を調べた研究によると、背景音のテンポが速くなればなるほど、筆記スピードが上がることが明らかになっている。
他にも、歩く速度や、飲み物を飲む速度、読書の速度など、あらゆる行動が背景音のテンポに応じて速度が変化する。
このメカニズムは、背景音のリズムと体の動きを合わせることが快情動を誘導することである。(快感ホルモンであるドパミンが前頭葉でドパァとなる)
前頭葉がドパミンで活性化すると、快感を感じるだけでなく、やる気に関係する側坐核という皮質下の領域を活性化するため、モチベーションも併せて上がる。
って考えたら、音楽に合わせて体を動かすダンスって最高のスポーツじゃね?と思ったり。
やっているだけで本能的に快感を得られるし、モチベーションも上がるし。