理系だもの

コミュ障理系会社員兼バレエダンサーの日記。健康食品のガチすぎるレビューから、ニュースについての自分なりの意見を書いたりしています。ためになる記事も多分ある。理系だもの。好きなこと:バレエ・ダンス鑑賞・音楽を聴くこと(推しは奏音69さん)、嫌いなこと・人:フェミニスト・媚びること・ストレッチ

新型コロナウイルスのDNAワクチン開発が話題だが、誰も調べないであろうDNAワクチンの詳細を解説する

どうも理系です。

 

ついに、阪大とベンチャー企業が新型コロナウイルスのDNAワクチンを開発することを明らかにしました。6か月後に出回るようになる予定だそうです。

https://news.mynavi.jp/article/20200305-989082/

 

このニュースを目にしたときに、DNAワクチンって何やねんとなった人は、多分俺と仲良くなれる人種だと思う。

 

ということで、従来のワクチンとDNAワクチンの違いについて解説していこうと思う。

 

従来のワクチン

生ワクチン

概要:生きたウイルスや細菌の病原性(毒性)を、症状が出ないように極力抑えて、免疫が作れるぎりぎりまで弱めた製剤。

利点:自然感染と同じ流れで免疫ができるので、1回の接種でも充分な免疫を作ることができる(ものによっては複数回の接種が必要)。

欠点:もともとの病気の軽い症状がみられることがある

例:ロタウイルス感染症、結核、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、黄熱病 など

 

不活化ワクチン

概要:ウイルスや細菌の病原性(毒性)を完全になくして、免疫を作るのに必要な成分だけを製剤にしたもの。

利点:もともとの病気の症状が出るリスクがない。

欠点:1回の接種 では免疫が充分にはできない。ワクチンによって決められた回数の接種が必要。

例:B型肝炎・ヒブ感染症・小児の肺炎球菌感染症・百日せき・ポリオ・日本脳炎・インフルエンザ・A型肝炎・髄膜炎菌感染症、狂犬病 など

 

トキソイド

概要:感染症によっては細菌の出す毒素が、免疫を作るのに重要なものもあり、この毒素の毒性をなくし、免疫を作る働きだけにしたものがトキソイドです。不活化ワクチンの毒素ver。

例:ジフテリア、破傷風など

 

これらのワクチンに共通するのが、病原体(あるいは毒素)そのものを加工して接種しているという点である。

 

DNAワクチン

DNAワクチンは、病原体のタンパクをコードする配列を持つDNAを注射する。

従来のワクチンのように病原体そのものを使わないため、開発段階において弱毒化(不活化)に失敗して副作用が出るということがない。(有毒でない部分のタンパク質の配列を用いればいいため)

 

かなりかみ砕いた作用機序

f:id:k22402:20200307014516p:plain

超簡略版はコチラから

https://www.asahi.com/articles/ASL6K7RCWL6KUBQU00H.html

 

注射されたDNAは細胞内に取り込まれて、病原体のタンパク質を作るようになる。

 

このDNAの2重螺旋構造が筋肉細胞等の非免疫細胞内において、TANK1というシグナルを活性化させる。

 

TANK1はマクロファージなどの自然免疫(病原体を食べる細胞による免疫)を活性化させる。

 

活性化したマクロファージは外敵を食べる。

 

自然免疫を担うマクロファージは、外敵の情報を免疫の司令官(ヘルパーT細胞)に伝える役目も担っている。

 

ヘルパーT細胞はマクロファージからの情報を抗体を作る細胞(B細胞)や、外敵に侵された細胞を壊す細胞(キラーT細胞)に伝える。

 

これにより活性化したB細胞が抗体を作り、キラーT細胞が感染細胞を破壊する。

 

その後、外敵の情報は免疫の記憶を担当する細胞に保存される。

 

次に本物の外敵が来たときはその記憶している細胞が活性化して、速やかに外敵をやっつける。

 

まとめると、DNAワクチンはTANK1シグナルの活性化により、直接抗体産生細胞に働きかける経路、自然免疫を介した抗体産生細胞を活性化する経路、2種類の経路を介して抗体(免疫記憶)を作らせる。

 

※一般の方が読むことを想定しているため、あまり厳密な話をしないようにしています。医療関係者の方、詳細が気になる方は引用元の論文をご覧ください。

 

参考

TANK-binding kinase-1 delineates innate and adaptive immune responses to DNA vaccines

 2008 Feb 7;451(7179):725-9.

日本語ver

https://www.jst.go.jp/pr/info/info473/index.html

 

何故、DNAワクチンなのか

DNAワクチンの利点はいくつか存在しており、その中でも今の時勢においては「短期間で大量生産が容易」ということが一番大きいかなと。

 

従来のワクチンであれば、原料である病原体を増やさなくてはならないため、鶏卵などにウイルスを増殖させる必要がある。

 

しかし、DNAワクチンはタンク培養による大量生産が可能であり、急な需要増大(まさに今のような状況)にも対応できる。

 

つまり、DNAワクチンの開発は今のような早急なワクチン開発が求められる今、一番妥当な選択と言える。

「日本は無能」と騒いでいる方は、こういうの見ないんだろうな。。。

 

また、上で述べているように、病原体そのものを使用していないため、従来のワクチンよりも安全性が高いことも利点である。

 

まとめ

次世代ワクチンであるDNAワクチンについて、まとめてみました。

記事が長くなりすぎるので、ワクチンの臨床試験についての話はまた次回に。