理系だもの

コミュ障理系会社員兼バレエダンサーの日記。健康食品のガチすぎるレビューから、ニュースについての自分なりの意見を書いたりしています。ためになる記事も多分ある。理系だもの。好きなこと:バレエ・ダンス鑑賞・音楽を聴くこと(推しは奏音69さん)、嫌いなこと・人:フェミニスト・媚びること・ストレッチ

なぜ、ポテチはおいしいのか? 本気で調べてみた。

どうも、堅あげポテト派の理系です。

堅あげの方が歯ごたえあるから食べてます感があって良き。

 

はい、今回は、タイトル通り、どうしてポテチはおいしいのかということをテーマに書いていく。

 

味覚情報はどうキャッチされるか

 味覚とは,舌に存在する味蕾の中の味細胞が,化学物資の刺激を受け,その情報が脳に伝えられて生じる感覚である。

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甘味

おいしいものの代表である甘味物質が結合する味細胞膜の受容体は T1R2と T1R3という 2 種類のタンパク質の複合体である。

その受容体からから脳に送られる神経情報の中には「甘い」という情報とともに「おいしい」という情報も含まれている。

甘味の分析をする場所とおいしさを評価する場所が脳内で異なり,甘味物質の情報がその異なった場所に送られるので,甘いという感覚とおいしいという情動が生じるのである。

おいしいという情動は快感であるため、ヒトは甘いものを好む。(本能的なおいしさ)

 

うま味

うま味の受容体は T1R1とT1R3の複合体である。

しかし、うま味を有するグルタミン酸ナトリウム(味の素)やイノシン酸ナトリウムをそのまま口にしても甘味物質を口にしたときほどのおいしさはない。

甘味のように単独でも楽しめる味というより,各食材の持つおいしさを増強する作用を持っている。

そういう意味で考えると、うまみは快楽としてのおいしさではなく、生命維持のための栄養摂取としてのおいしさかもしれない。

高齢者や疾病者で,味覚や嗅覚が衰えて食べ物をおいしく感じられない人に風味増強食(グルタミン酸ナトリウム添加食)を与えると食欲が増すことが知られている。

※ニコ動で有名なアル中カラカラ氏が料理に大量の味の素を加えているのはこのためかは知らないが。。。

 

 

脂肪の味

脂肪は水に溶けず、そのままでは味細胞に作用できない。

つまり、脂肪には味はない。

 

しかし、グルメ番組で、「油の甘みが。。。」的な発言を聞いたことのある方がいらっしゃると思う。

 

この矛盾はなぜか。

レポーターが「甘い」と言っとけば、視聴者が釣れると思っているのかと言われるとそうでもない。

 

口腔内でトリグセリドはリパーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解されると,味細胞に対して刺激効果を発揮する。
トリグリセリドは舌後部の葉状乳頭や有郭乳頭の溝の底に開くエブネル腺という小唾液腺中のリパーゼにより10秒もすれば分解され始める。

つまり,奥歯でよく噛んでいると油(脂)の味が出てくる。

グリセリンは甘味受容体に結合し,脂肪酸は味細胞膜に存在する脂肪酸受容体を介して刺激効果を発揮すると考えられる。

 

そのため、油(脂)そのものは、明確な味を持たないが,食べ物の味,とくにうま味や甘味を増強し,一方で苦味を抑えてトータルとして食べ物をおいしくする働きがあるものと考えられる。

また,油のもつ高カロリーはとくに空腹時は消化・吸収後に強い快感をひきおこすの
で,食物の嗜好にも重要な役割を演じる。

 

 

おいしいものを食べたときの脳

味覚情報は,延髄,視床を経由して,大脳皮質味覚野(第1次味覚野)に運ばれ,味の種類の識別がなされる。

大脳皮質味覚野からは前頭葉の眼窩前頭皮質(第 2 次味覚野)に運ばれ,味覚以外の感覚情報や過去の記憶などをもとに,食べているものがなにか,その食べ物が好きか嫌いかの評価を行う。

大脳皮質味覚野からは扁桃体(情動中枢)にも運ばれ,さらに報酬系(快感中枢),視床下部(摂食中枢)に情報が運ばれる。

これらの反応がほぼ同時に起こるので、ポテチを口に入れるとその瞬間に、ポテチの味と、おいしいという情動と快感、そして、もっと食べたいという摂食促進作用が得られる。

 

そのため、我々はこれらの情報を関連付けて、「ポテチは塩辛く、少し甘い味がして、おいしく、幸せになれる食べ物であり、もっと食べたい」と認識する。

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特に、甘味受容体を刺激する味覚(甘味と油)は麻薬と同じくらい快感中枢を刺激するので、ついつい甘いものや脂っこいものばかり食べてしまうということが起こるのである。

 

そう考えると、ポテチをついつい食べてしまうのも本能的には当然のことかもしれないな。

 

参考

日本調理科学会誌 Vol. 43,No. 6,327~332(2010)〔総説〕

おいしさとコクの科学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/43/6/43_327/_pdf/-char/ja